研究報告会
April 2013 日本農業史学会2013年度研究報告会および総会についての報告
2013年度の研究報告会および総会が、2012年3月28日(木)に東京農業大学世田谷キャンパス1号館333教室において開催されました。
Ⅰ 研究報告会
研究報告会は、63名の参加をえておこなわれました。報告者と報告テーマは、次のとおりです(敬称略)。
1.個別報告(午前9:20~)
第1報告 「植民地樺太の資源開発と移住者による農山漁村落の形成発展―1920・30年代を中心に― 」
中山大将(北海道大学スラブ研究センター・日本学術振興会特別研究員PD)
第2報告 「『世界農業遺産』の日本における展開―農業史の視点から―」
永田明(国連大学サステイナビリティと平和研究所)
第3報告 「昭和戦時期における行政村の政策執行体制―長野県下伊那郡河野村・下久堅村の事例を中心として―」
坂口正彦(日本学術振興会特別研究員PD)
第4報告 「日本の農民はいかにして稲の新品種を育成したのか―耐冷・良食味米『亀の尾』の発見・育成過程を中心に―」
平野綏(元茨城大学)
第5報告 「隣保相扶と町民動員―昭和13年阪神大水害における復旧・復興への町会活動を中心に―」
加藤尚子(独立行政法人農業環境技術研究所)
2.シンポジウム(午後2:15~)
テーマ:日本帝国圏における農業資源開発―「資源化」と総力戦体制の比較史―
座長 野田公夫(京都大学農学研究科)
趣旨解題:野田公夫(京都大学農学研究科)
第1報告:「『満洲』農業移民と北海道農法」
今井良一(親和女子大学非常勤講師)
第2報告:「戦時期南洋群島における資源開発の変容―熱帯資源開発から軍事基地建設へ―」
森亜紀子(京都大学農学研究科博士課程)
第3報告:「戦時期華北における農業問題」
白木沢旭児(北海道大学文学研究科)
第4報告:「ナチス『帝国圏』における農業資源開発―戦時ドイツの食糧自給政策と『東方拡張0stexpansion』―」
足立芳宏(京都大学農学研究科)
Ⅱ 総会
(1)庶務報告
①農業史研究』第47号が刊行された旨の報告がありました。
②研究会の会員数について、2013年3月現在186名(11機関を含む)であるという報告がなされました。
(2)日本農業史学会賞
今年度の審査報告に先立って、「日本農業史学会賞表彰規程」改訂案が提案され、承認されました。つづいて、大鎌邦雄学会賞担当理事より、下記の報告がありました。
日本農業史学会賞:該当者なし
日本農業史学会奨励賞:戸石七生さん(東京大学農学生命科学研究科)「前近代移行期南関東農村における農家数減少とその対策 ―相模国大住郡横野村における明屋敷とその再興―」『共済総合研究』64、2012年
報告に続いて、表彰を行ないました。
(3)会計報告
①2012年度日本農業史学会会計報告
岩本純明監事の監査を経て会計報告がなされ、総会での承認を得ました。
②2012年度日本農業史学会賞経理報告
同じく、岩本純明監事の監査を経て経理報告がなされ、総会での承認を得ました。
(4)新理事・監事が紹介されました(留任:敬称略)。
<北海道>白木沢旭児、<東北>大鎌邦雄、<関東>加藤衛拡・伊丹一浩・井川克彦・野本京子・中川雄二・戸石七生・松本武祝、<中部>阿部英樹、<関西>野田公夫・庄司俊作・佐藤正志、足立芳宏、伊藤淳史、藤原辰史、大瀧真俊、<中・四国>坂根嘉弘・玉真之介、<九州>田代正一・渋谷義夫、<監事>岩本純明
(5)新理事会において玉真之介理事が新会長に指名された旨、報告がありました。
(6)『農業史研究会論文集』『農業史研究』掲載論文等を、国立情報学研究所の電子情報化サービス(CiNii)を通じて、今年度から電子化してゆく方針が事務局から提案され、了承されました。関連して、「『農業史研究』投稿規定」の改訂が了承されました。
Ⅲ 懇親会
総会の後、懇親会を開催しました。
Ⅳ その他
1)2014年度大会は、神戸大学にて開催の予定です。
2)第14回日韓中国際農業史大会は、2014年に中国昆明市において開催予定です(以後、隔年開催の予定です)。