日本農業史学会

お問合せ

学会事務局メールアドレス
office[at]agrarian-history.sakura.ne.jp

編集委員会アドレス(投稿用)
editor[at]agrarian-history.sakura.ne.jp

(学会事務局連絡先)
〒606-8502
京都大学農学研究科
生物資源経済学専攻
比較農史学分野気付
日本農業史学会事務局
Tel. 075-753-6185
Fax. 075-753-6191

2013年度日本農業史学会賞候補業績募集および研究報告会についてのお知らせ

1)2013年度日本農業史学会賞(学会賞・奨励賞)候補業績募集について

 以下の通り、2013年度日本農業史学会賞(学会賞・奨励賞)候補業績を募集いたします。なお、「奨励賞」の応募対象者に関する要領が、今次募集より変更されております。ご留意願います。この点に関して、今次の応募に先立って「日本農業史学会賞表彰規程」の改定を理事会で承認いたしております。次回総会(2013年3月28日の予定)にて、事後承認を得る手続きをいたします。ご了承願います。
学会賞に関する規程の詳細は、学会HP(学会規約)を参照ください。

[学会賞]

(1)対象者 優れた研究業績を公刊した40歳以下の会員(研究業績刊行時点)
(2)対象業績 過去2年間(2011年1月~2012年12月)に公刊された著書およびそれに準ずるもの

[奨励賞]

(1)対象者 将来の発展が期待される研究業績を公刊した40歳以下の会員
(研究業績刊行時点)
(2)対象論文 過去2年間(2011年1月~2012年12月)に公刊された論文およびそれに準ずるものならびに直近の『農業史研究』(第46号)に掲載された投稿論文。

[応募方法]

 本会会員の推薦によります(著者自ら推薦することを妨げない)。推薦に当たっては、所定の推薦書を付してください(但し直近の『農業史研究』に掲載された論文については、会員による推薦を要しない)。一度対象となった業績の再応募は認められませんが、同一人物でも別の業績であれば差し支えありません。
 推薦書および対象となる業績(著書の場合1部、論文の場合5部(コピーでも可))を事務局までご送付下さい。締切りは、2013年1月31日とします。「推薦書書式」は、学会HP(学会規約/日本農業史学会賞表彰規程細則/別添書式)からダウンロードしてください。あるいは、事務局までお申し出て下されば、送付いたします。
 なお、学会賞と奨励賞はそれぞれ別の書式を使用することになります。ご注意ください。不明の点がありましたら、事務局までお問い合わせください。

2)2013年度研究報告会について

 2013年度研究報告会は、来る3月28日(木)に東京農業大学世田谷キャンパスにて開催いたします。従来と同様に、午前中に個別報告を行い、午後にシンポジウムを行う予定です。研究報告会に関する詳細は、追ってご連絡いたします。

(1)個別報告希望者の募集

 個別報告をご希望の方は、事務局までお申し込みください。申し込みの締切りは2013年1月31日といたします。なお、申し込みの際、報告要旨(1,000字以内)をご提出ください。報告時間は50分(報告40分、質疑応答10分)を予定しています(報告者数が多い場合には短縮されることがあります。あらかじめご了承願います)。

(2)シンポジウムについて

テーマ:日本帝国圏における農業資源開発―「資源化」と総力戦体制の比較史―
座長および報告者:
座長:野田公夫(京都大学農学研究科)シンポ解題-課題と構成
第1報告:今井良一(親和女子大学非常勤講師)「満洲」農業移民と北海道農法
第2報告:森亜紀子(京都大学農学研究科博士課程)戦時期南洋群島における資源開発の変容―熱帯資源開発から軍事基地建設へ―
第3報告:白木沢旭児(北海道大学文学研究科)戦時期華北における農業問題
第4報告:足立芳宏(京都大学農学研究科)ナチス「帝国圏」における農業資源開発―戦時ドイツの食糧自給政策と「東方拡張0stexpansion」―
趣旨説明:
 日本の植民地拡大は、地政学的見地からの戦略性に貫かれたものであったという点で欧米のそれとは性格を異にするとピーティは言う。ここでいう地政学的見地とは国防的見地とほぼ同義であるが、1930年代に農産物が全輸入額の半ばに達していた日本においては、かかる「戦略性」のなかには農業資源開発も含まれており、さらに、遅れて列強の仲間入りをした後発帝国主義であったことは同様に、植民地自体の工業化というこれも欧米の植民地支配にはない固有の「戦略性」が含まれていたと(ピーティの意味をやや拡張して)言っても大きな間違いはないであろう。
 本シンポで事例として取り上げた三地域は、<形式的には独立国である満洲>と<委任統治領としての南洋群島>および<占領下にある華北>でありいずれも植民地ではないが、先に記した諸点は基本的に妥当するといえよう。シンポジウムでは、これら三地域の農林資源開発状況を、程度の差こそあれ背負った国防や工業化という要素も、(遠景として)視野に収めつつ考察することにしたい。
 「第1報告・満洲(今井良一)」では、「東亜農業のショウウインドウ」として期待されたいわゆる満洲開拓の帰趨が営農実態の側面から明らかにされる。とりわけ農法的な切り札とされた「北海道農法」の現実的効果が極めて乏しいものであり、それは容易に解決できるものではなかったことが、性格の異なる各種開拓団の現場において検証される。
 「第2報告・南洋群島(森亜紀子)」では、多様な熱帯資源確保策として開始された開発が、戦局に応じめまぐるしく位置づけを変化させる過程が明らかにされる。この地は、遂には対米戦の最前線として軍事基地開発へと収斂し、「口減らし」のために女性や子供の帰国が促進されるという、農業・食糧視点からみれば最も寄生的な帝国圏となった。
 「第3報告・華北(白木沢旭児)」では占領地である華北をとりあげる。占領地支配が要請したいわば「統治のための農業商品(ここでは棉花)」や、「点と線でしかない軍事支配のもとでの農村掌握」という他地域にはない論点が提示される。
 以上3報告のポイントをキーワードで示せば、「満洲=東亜農業のショウウインドウ建設の結末」「南洋群島=時局・戦況に翻弄された熱帯資源開発」「華北占領地=占領下の農業掌握」と表現できようか。前二者の農業開発主体は日本内地からの移民たちである。本シンポでは、日本帝国圏のいわば「最前線」における、農業資源開発をめぐる問題状況をみることになるといってよい。
 なお独立したコメンターをたてず、別途「第4報告・ナチス「帝国圏」(足立芳宏)」をもうけることにした。これは、いわばナチス「帝国圏」における農業開発という異質な視野を通じて、日本帝国圏における農業開発のありようを批判し相対化するためである。両者の比較自体が「論点」をうむであろうと考えている。
 本報告では、戦時ドイツ食料自給圏を完成させるためにナチスがとった食料供給方策の、総合性や科学動員および人種性を帯びた労力動員の(唖然とするほどの)徹底性などが明らかにされることになろう。

〒113-8657 文京区弥生1-1-1
東京大学大学院農学生命科学研究科
農業・資源経済学専攻農業史研究室気付
日本農業史学会事務局
tel&fax:03-5841-5321(松本)
03-5841-5326(藤原)
03-5841-5458(戸石)
e-mail:

ページトップ
Copyright (c) The Agricultural History Society of Japan 2013. All rights reserved.