研究報告会
March 2023: 日本農業史学会2023年研究報告会および総会についての報告
2023年の研究報告会および総会が、2023年3月20日(月)に法政大学市ヶ谷キャンパスにて対面(シンポジウムはオンライン併用)にて開催されました。
Ⅰ 研究報告会
研究報告会は、のべ約60名(出席44名、オンライン約20名)の参加をえておこなわれました。報告者と報告テーマは、次のとおりです(敬称略)。
1.個別報告(9:00~12:35)
- 第1報告:玉 真之介 (帝京大学経済学部)「コミンテルン史観の克服のために」
- 第2報告:安岡 健一(大阪大学)「戦後日本の農業協同組合による生活改善活動の展開―「生活基本構想」(1970年)までを中心に―」
- 第3報告:坂根 嘉弘(広島修道大学)「台湾産業組合はなぜ好成績を残したのか?:台湾産業組合の特質」
- 第4報告:藤田 泰裕(京都大学大学院)「明治大正期における徳島糖業の展開―岡田家の砂糖販売を中心に―」
2.シンポジウム(13:30~17:00)
シンポジウム・テーマ:戦後沖縄農業・農村史研究の再検討
・司会・藤原辰史
・座長・趣旨説明 :小濱 武(沖縄国際大学)
- 第1報告:鳥山 淳(琉球大学)「農業・農村から再考する沖縄現代史-米国統治期の砂糖生産に関連して-」
- 第2報告:小濱 武(沖縄国際大学)「戦後沖縄における災害と救済-1950年代後半を中心に-」
- 第3報告:安里 陽子(岐阜工業高専)「米軍占領期沖縄からハワイへの農業実習生派遣事業―ハワイにおける沖縄系移民のかかわりに着目して」
- 第4報告:比嘉 理麻(沖縄国際大学)「豚たちの戦後史-激変する人と動物の関係と沖縄社会-」
- コメント1:坂井 教郎 (鹿児島大学)
- コメント2:森 亜紀子(同志社大学)
- 質疑応答
Ⅱ 総会
・最初に白木沢旭児会長の挨拶がありました。1.会務報告
①伊藤淳史編集担当理事より、『農業史研究』第57号が刊行されたこと、同第56号のJ-StageのUpが完了したこと、およびEBSCOhost登載について報告がなされました。
②板垣貴志組織・財務担当理事より、本学会の会員数について、2023年3月現在185 名(正会員 140 名、学生会員 45 名)であるという報告がなされました。
2.会計報告
①2022年度日本農業史学会会計報告および2022年度日本農業史学会賞経理報告
板垣理事より会計報告および学会賞経理報告が、坂根嘉弘監事より同会計監査・経理監査報告がなされ、総会での承認を得ました。
②板垣理事より2023年度の学会予算について説明と提案がなされ、総会での承認を得ました。
3.日本農業史学会賞
玉真之介学会賞担当理事(足立事務局長代読)より、2022年度は学会賞、奨励賞とも該当なしとの報告がありました。
4.新理事の承認について
白木沢会長より、次期の理事および監事の候補者について提案と説明があり、総会での承認を得ました。
【理事】(五十音順) 足立芳宏、阿部希望、阿部英樹、池本裕行、伊藤淳史、板垣貴志、伊丹一浩、大瀧真俊、小濱 武、齋藤邦明、坂井教郎、庄司俊作、白木沢旭児、玉真之介、永江雅和、中川雄二、野間万里子、藤原辰史、平下義記、湯澤規子。
【監事】大栗行昭
任期は2023年3月20日~2024年3月までの1年間です。
5.2023年研究報告会・シンポジウムについて 足立事務局長より、来年度の研究報告会は、2024年3月に東北大学を会場として開催予定であること、また藤原辰史企画委員長より来年度のシンポジウムは、板垣貴志理事を中心に、農業の機械化に関するテーマを軸として準備を進める予定であることが報告されました。
6.長期滞納者・宛先不明者の対応について
足立事務局長より、長期滞納者および宛先不明者が堆積していることに関わって、その扱いについては次年度の理事会・総会において「除籍」規程を提案する方向で対処したい旨の報告がありました。
7,その他
1)白木沢会長より農業経済学関連学会協議会について報告がありました
2)足立事務局長より、理事会において、『農業史研究』は書評欄を設けていないことから、学会への寄贈図書については、学会事務局の裁量で処理することなったこと、また会誌で寄贈一覧を設けること、また販売により学会会計に貢献するなどがのが望ましいことなどの意見が出されたことが報告されました。