研究報告会
May 2016 日本農業史学会2016年度研究報告会および総会についての報告
2016年度の研究報告会および総会が、2016年3月28日(月)に秋田市民交流プラザ洋室Cにおいて開催されました。
Ⅰ 研究報告会
研究報告会は、40名の参加をえておこなわれました。報告者と報告テーマは、次のとおりです(敬称略)。
1.個別報告(9:00~)
- 第1報告
小竹原宣子放送大学大学院)「出雲平野の変遷と屋敷林(築地松)の形成」 - 第2報告
芳賀和樹(日本学術振興会特別研究員PD(東京農工大学大学院))「秋田藩御山守の基礎的考察」 - 第3報告
白井泉(日本経営史研究所研究員)「博覧会・共進会などの品評の場における競争と農作物ブランドの確立:林檎を素材に」 - 第4報告
李海訓(首都大学東京)「中国東北における糧糖相克と製糖業」 - 第5報告
棚井仁(東京大学大学院)「戦間期養蚕地帯における農家経営の多角化と農産物市場への対応―長野県下伊那郡松尾村G家を事例に―」 - 第6報告
小濱武(東京大学大学院)「戦後沖縄の食糧米流通―アメリカ「自由化体制」への対応に着目して―」 - 第7報告
中村塑(愛国学園大学)「近世における土地取引と村・入地・知行所-上総国山辺郡台方村松平知行所の事例-」 - 第8報告
徳山倫子(京都大学大学院)「実業補習学校における農村女子教育―雑誌『補習教育』・『青年教育』の分析を中心に―」
2.シンポジウム(14:15~)
シンポジウム・テーマ:物質循環の歴史学―農業史のもう一つのかたち
趣旨解題・座長:藤原辰史(京都大学)
第1報告:伊丹一浩(茨城大学)
「19世紀フランス南部山岳地オート=ザルプ県における物質循環の回復と生活型農業の衰萎」
第2報告:岩島史(山手昌樹/日本女子大学)
「北イタリア水田地帯の輪作体系」
第3報告:湯澤規子(筑波大学)
「「下肥」利用と「屎尿」処理―近代愛知県の蔬菜栽培の発展と都市化による物質循環の変化」
コメント:足立芳宏(京都大学)
Ⅱ 総会
(1)庶務報告
①『農業史研究』第50号が刊行された旨の報告がありました。
②研究会の会員数について、2016年3月現在196名(11機関を含む)であるという報告がなされました。
(2)日本農業史学会賞
野本京子学会賞担当理事より、下記の報告がありました。
日本農業史学会賞(2点):阿部希望さん『伝統野菜をつくった人々―「種子屋」の近代史』、中山大将さん『亜寒帯植民地樺太の移民社会形成―周縁的ナショナル・アイデンティティと植民地イデオロギー』。
日本農業史学会奨励賞は、該当者なしでした。
報告に続いて、表彰を行ないました。
(3) 会計報告
①2015年度日本農業史学会会計報告
岩本純明監事の監査を経て会計報告がなされ、総会での承認を得ました。
②2015年度日本農業史学会賞経理報告
同じく、岩本純明監事の監査を経て経理報告がなされ、総会での承認を得ました。
(4)名簿作成
白木沢旭児理事より会員名簿作成の提案があり、了承されました。
Ⅲ 懇親会
総会の後、懇親会を開催しました。
Ⅳ その他
- 1) 2016年度大会は、千葉大学園芸学部にて開催の予定です。
- 2)第14回日韓中国際農業史大会は、2016年9月9~10日に日本・京都で開催の予定です。