研究報告会
April 2010 日本農業史学会2010年度研究報告会および総会についての報告
2010年度の研究報告会および総会が、去る3月26日(金)に京都大学吉田南総合館共北25教室において開催されました。
Ⅰ 研究報告会
研究報告会は、43名の参加者をえておこなわれました。報告者と報告テーマは次の通りです(敬称略)。
1.個別報告(午前9:00~14:10)
第1報告(9:00~9:35)「戦間期の軍馬資源政策が東北農家経営に及ぼした影響―馬の生産・利用に関する収支改善要求に視点を置いて―」
大瀧真俊(京都大学大学院)
第2報告(9:35~10:10)「樺太庁中央試験所の研究開発と樺太社会への啓発普及―1930年代の樺太拓殖における科学の動員―」
中山大将(京都大学大学院)
第3報告(10:10~10:45) 「江南における畑作の実態 ―「田畑輪換」を中心に―」
市村導人(佛教大学大学院)
第4報告(10:45~11:20)「近世地主制の形成と縄延び地の存在―縄延び地を含む小作米収取慣行の成立に着目して―」
池本裕行(京都大学大学院)
第5報告(11:20~11:55)「近世日本の死亡危機における地縁ネットワークと血縁ネットワーク―幕末の上名栗村古組と天保大飢饉を例として―」
戸石七生(日本学術振興会特別研究員)
第6報告(13:00~13:35)「大恐慌期における農家の冬季就業と救農土木事業―長野県下伊那郡上郷村を事例として―」
小島庸平(東京大学大学院)
第7報告(13:35~14:10)「小土地改良区と積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法―山形盆地・旧南沼原村を事例として―」
佐藤章夫
2.シンポジウム(午後14:20~17:35)
共通論題:「戦前・戦時東アジアにおける協同組合の比較史的検討」
座長 白木沢旭児(北海道大学)
趣旨説明 白木沢旭児(北海道大学)
第1報告 「戦時体制下の産業組合と行政および農村社会-山口県を事例に-」
勝部眞人(広島大学)
第2報告 「植民地朝鮮農村における金融組合の組織と「運動」」
松本武祝(東京大学)
第3報告 「民国後期中国の合作社政策と地域社会」
飯塚靖(下関市立大学)
コメント
坂根嘉弘(広島大学)
Ⅱ 総会
(1)庶務報告
①『農業史研究』第44号が刊行された旨の報告がありました。
②研究会の会員数について、2010年3月現在180 名(10機関を含む)であるという報告がなされました。
(2)日本農業史学会賞
大鎌邦雄学会賞担当理事より、下記の報告がありました。
・日本農業史学会賞:湯澤規子さん(筑波大学大学院生命環境科学研究科)
『在来産業と家族の地域史―ライフヒストリーからみた小規模家族経営と結城紬生産―』古今書
院、2009年。
・日本農業史学会奨励賞は、該当者なしでした。
報告に続いて、表彰を行ないました。
(3)会計報告
①2009年度日本農業史学会会計報告
岩本純明監事の監査を経て会計報告がなされ、総会での承認を得ました。
②2009年度日本農業史学会賞経理報告
同じく、岩本純明監事の監査を経て経理報告がなされ、総会での承認を得ました。
(4)編集委員会より
「農業史研究」投稿規定を一部改訂し、英文サマリーは「掲載決定後に提出してもかまわない」こととなったことが報告されました。
Ⅲ 懇親会
大会終了後、懇親会を開催いたしました。参加者は、37 名でした。
Ⅳ その他
1)2011年度大会は、早稲田大学にて、3月29日(火)に開催の予定です。
2)第10回日中韓農業史学会国際大会が、9/24~9/27 に広東・華南農業大学にて開催されます。奮ってご参加ください。下記web siteを参照ください。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/sah/newslog/news20100303.htm